スズメバチの体内で寄生
ネジレバネという聞き慣れない名前の小さな昆虫をご存じでしょうか。ネジレバネの仲間はスズメバチだけでなくさまざまな昆虫に寄生することが知られています。スズメバチネジレバネはスズメバチに寄生し幼虫の間はオスもメスも宿主の体内で過ごします。メスの成虫は翅も脚もなく幼虫に近い形のまま一生をスズメバチの体内で過ごし栄養を宿主に頼って生きる寄生性の昆虫です。コガタスズメバチでも確認されることがあり腹部のすき間から体の一部が見えることがあります。オスは蛹の頭部を第4腹節と第5腹節の間からのぞかせることがあり羽化した成虫は2枚の後翅で飛ぶことができますが口は退化していて餌をとりません。前翅は退化して棍棒状になっています。ネジレバネに寄生された蜂は巣の中で静止していることが多く餌集めや巣材集めのために外へ出る回数が減り巣内の作業にもほとんど加わらなくなります。そのため寄生率が高くなった巣では群れの成長が妨げられることがあります。こうした生態は興味深いものですが現場で巣を見つけた時に人が近づいて確かめようとするのは危険です。寄生の有無は近くで見なければ分かりにくく巣に接近することで防衛行動を招くおそれがあるため異変に気付いても無理に観察しないことが大切です。
また新しい女王蜂やオス蜂がネジレバネに寄生された場合には繁殖へ十分に関われないと考えられています。寄生された女王蜂は巣作りを行わず翌年の7月頃まで樹液を訪れることがあるとされます。ネジレバネは寄生率がとても低く人の目にも触れにくいため生態にはまだ分かっていない点も多く研究が進められている昆虫です。住宅の周辺で見かける機会は多くありませんが巣の周辺で動きの鈍い蜂がいても安全とは言い切れません。寄生された蜂がいる可能性と巣全体の危険性は別に考える必要があり巣そのものが近くにある時は人の出入りを避ける判断が先になります。玄関横や軒下や室外機の裏など生活動線に近い場所では蜂の様子を詳しく調べるよりも距離を取り家族へ共有して刺激しないようにすることが初期対応として役立ちます。
体内で寄生する理由
体内寄生という現象は外から見えにくいため不思議に感じられますが寄生する側にとっては乾燥や外敵を避けながら栄養を得やすい方法と考えられます。スズメバチの体内は寄生昆虫にとって成長の場になり宿主が活動することで移動の助けにもなります。一方で宿主となるスズメバチは大型で攻撃性が高く巣を守る力も強いため人が巣の近くで寄生の有無を見分けようとするのは危険です。スズメバチは木の洞や地中や建物の壁内や屋根裏などさまざまな場所へ巣を作るため見えている蜂が少なくても周辺に大きな巣が隠れていることがあります。刺されると強い痛みだけでなく体質によっては重いアレルギー反応につながるおそれもあるため巣を見つけた場合は寄生昆虫の観察より安全確保を優先することが重要です。専門の業者や自治体へ相談すると巣の場所や蜂の種類に応じた対応が取りやすくなります。自分で対応を考える場合でも棒でつつく行為や水をかける行為や脚立で近づく行為は避けた方がよく周囲に人がいないかも確認する必要があります。体内寄生してからの行動
寄生された後の変化は見た目では分かりにくいこともありますが行動の変化として表れる場合があります。ここでは一般的な体内寄生の流れをもとに巣の近くで起こり得る変化を整理します。種類や寄生生物によって違いはありますが人が現場で不用意に近づかないための参考になります。
・寄生:寄生する昆虫は宿主の体表や体内へ入り込み生活を始めます。外からは分かりにくく巣の近くで静止した蜂がいてもそれだけで判断することはできません。
・孵化:産み付けられた卵から幼虫がかえり宿主の体内で成長します。宿主は外見が大きく変わらないまま動きだけが鈍く見えることもあります。
・影響:寄生生物が体内に存在すると宿主の活動量が下がったり栄養状態が変わったりすることがあります。巣材集めや餌集めに出る回数が減ると群れ全体の成長にも影響が及ぶことがあります。
・寄生生物の成長:幼虫は宿主の体内で育ち一定の時期を経て成虫へ変わります。その過程で宿主の行動や生殖に影響が出ることがあります。
・寄生生物の離脱:成虫になった寄生生物は宿主の体から離れます。離脱の仕方は種類によって異なりますが現場で人がその様子を確認しようとして近づくのは危険です。
体内寄生は宿主にとって負担となり健康や生存へ影響を与える可能性があります。ただし蜂の巣を見つけた時に人が気を付けるべき点は寄生の有無よりもまず安全確保です。動きが鈍い蜂がいるから安全だと思って近づくと別の働き蜂に警戒されることがあります。巣が家の軒先やベランダや屋根裏や換気口の近くにある時は蜂の数が少なく見えても早めに害虫駆除業者へ相談した方が安心です。自分で確認する時は遠くから出入りの方向を見る程度にとどめ家族や近隣の人が近づかないようにし刺激を与えないことが大切です。専門的な知識が必要になる場面では医療や駆除の支援を受けながら状況に合った対策を選ぶことが望まれます。
