蜂の巣ができるメカニズムについて
思いがけない時に蜂が目の前を飛んできて慌てた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。スズメバチに限らず突然近くへ現れると強い不安を感じやすく刺されるかもしれないと思って体がこわばってしまいます。実際に蜂に刺されると赤く腫れて強い痛みが出ることがあり体質によってはアナフィラキシーショックを起こして重い症状につながることがあります。蜂刺され事故は蜂の活動が活発になる8月から9月にかけて起こりやすく庭仕事や洗濯物の出し入れや玄関まわりの通行中など日常の場面でも注意が必要です。巣が見えていない段階でも同じ場所を何度も蜂が飛ぶようになった時は近くで営巣が進んでいることがあります。世界には10万種以上の蜂がいるとされその中でスズメバチの仲間は約70種といわれています。日本で見られる種類はその一部ですが人を刺す危険がある蜂は限られており蜂全体の中で危険性が高い種類は一部にとどまります。それでも住宅の近くで営巣した場合は人との距離が近くなるため危険が一気に現実的になります。スズメバチやミツバチの群れでは産卵を担う女王蜂と多くの働き蜂が役割を分けて巣を維持します。春になると越冬した女王蜂が一匹で巣作りを始め5月から6月頃までは小さな巣の中で卵を産み幼虫を育てます。やがて育った幼虫が働き蜂となって活動を始めると巣の拡張が進み出入りする蜂の数も増えていきます。その年に作られた巣は主に秋まで使われ多くの種類では翌年に同じ巣をそのまま使い続けるわけではなく新しい場所で新たな巣が作られます。夏から秋にかけては働き蜂が増え続け種類によってはオス蜂や翌年の女王蜂になる個体も加わって大きな群れになることがあります。働き蜂は生きた昆虫やクモを捕まえて幼虫へ与えるため自然界では害虫を抑える面もあります。そのため人の生活動線から離れた場所にあるアシナガバチの巣などは直ちに問題にならないこともありますが建物の軒先や玄関やベランダや換気口の近くにできた巣は話が別です。幼虫やさなぎが詰まった巣は他の動物にとって餌になりやすく蜂は外敵から群れを守るために毒針で防衛します。人が巣へ近づいただけでも蜂にとっては外敵と映るため建物の近くに巣がある時は害虫や害獣を引き寄せる可能性も含めて早めに状況を見極めることが大切です。
お住まいの地域の自治体ではスズメバチなどの蜂の巣駆除に対して補助制度を設けている場合があります。制度の有無や対象条件や申請の流れは自治体ごとに異なるためお困りの時は一度自治体の窓口へ相談して確認してみるとよいでしょう。現場の写真や巣の場所が分かる情報を求められることもあるため安全な距離から確認できる範囲で整理しておくと相談しやすくなります。
蜂が人に危害を加える原因と理由
人を刺す場面にはいくつかのきっかけがあり蜂の立場で考えると身を守るための行動であることが少なくありません。巣のすぐ近くへ入ってしまった時だけでなく振動や音やにおいなどが刺激となって警戒を強めることもあります。蜂の種類やその時の気温や群れの規模によって反応は変わりますが共通しているのは巣を守る意識が強い時ほど攻撃が起こりやすいという点です。住宅地では人の通路と蜂の飛行経路が重なりやすいため巣の大きさより場所の方が危険度を左右することもあります。
●巣の防衛
蜂は巣を守るために攻撃的になることがあります。巣は蜂たちの生活空間であり卵や幼虫やさなぎが入っている大切な場所です。危険を感じると働き蜂が集団で防衛に動くことがあり玄関横や軒下やベランダのように人が近づきやすい場所では接触の危険が高まります。巣の近くで長く立ち止まったり物をぶつけたりすると警戒が一気に強くなることがあります。
●餌や食べ物を求める
蜂は花の蜜や樹液を主な餌として利用しますが人が持つ甘い飲み物や食べ物に引き寄せられることもあります。屋外で開けた飲料を置いたままにしたり果物の皮や生ごみを放置したりすると蜂が近くへ来る原因になります。とくに夏場から初秋は活動量が多く公園や庭や駐車場などでも遭遇しやすくなります。巣が近くになくても餌をきっかけに人の周囲へ集まることがあるため屋外ではにおいの強い物の扱いにも注意が必要です。
●意図的な威嚇や攻撃
蜂は外部からの刺激に反応して攻撃的な行動を取ることがあります。たとえば巣に向かって石を投げる行為や棒でつつく行為や水をかける行為は非常に危険です。巣を揺らす振動は強い刺激になりその場にいた蜂だけでなく周囲にいた蜂も防衛のため集まることがあります。巣を見つけた時に自分で追い払おうとして状況を悪くすることも多いため異変に気付いた時は近づかず刺激しないことが初期対応として重要です。
●個体差や状況による行動の変化
蜂の行動は同じ種類でも個体差や状況によって変わる場合があります。気温が高い日や群れが大きく育っている時や巣が人の生活空間に近い時は警戒が強まりやすくなります。巣の規模が小さい段階でも人の出入りが頻繁な場所では反応が目立つことがありますし反対に一見おとなしく見えても巣に近づくと急に飛び方が変わることもあります。見た目だけで安全と判断せず出入りの多さや巣の位置や周辺の動線まで含めて危険を考えることが大切です。
蜂が人に危害を加える理由は本能的な防衛行動や生存のための行動に基づいています。自分や巣を守るために攻撃的になることがあり人と蜂の距離が近い住宅まわりでは小さな巣でも注意が必要です。軒先や玄関や室外機の裏や屋根裏の出入口などは営巣場所になりやすく蜂が同じ方向へ何度も飛ぶ時は巣が見えなくても建物の内部で進行している場合があります。人の通り道にある時や蜂の数が増えてきた時や巣の全体が見えない時は早めに専門の蜂駆除業者へ相談した方が安全です。普段から蜂に近づき過ぎないことと餌になりそうな物を屋外へ長く置かないことを心がけるだけでも接触を減らしやすくなります。巣を見つけた時は無理に確認し直さず家族にも場所を共有して静かに距離を取ることが被害を防ぐ第一歩になります。また自治体の相談窓口や補助制度が使える場合もあるため対応先を早めに確認しておくと落ち着いて対処しやすくなります。

