専門用語のリスト:リッサウイルス感染症

害虫・動物・細菌についての百科事典

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リッサウイルス感染症
ラブドウイルス科リッサウイルス属に属するウイルスによって引き起こされる感染症であり狂犬病ウイルス以外のリッサウイルスによるものを指しており主な感染源として知られているのはアフリカや東西ヨーロッパやオーストラリアなどに生息するコウモリであり野生動物を扱う場面や建物内への侵入対応の場面では基礎知識として知っておきたい感染症です。日常生活の中で一般の人が遭遇する機会は多くないものの屋根裏や換気口や倉庫内などにコウモリが入り込んだ場合には不用意に素手で触れないことが重要です。以下にリッサウイルス感染症に関する情報を提供します。

疫学
リッサウイルスはアフリカやヨーロッパやオーストラリアなどに生息するコウモリから分離されていており現在リッサウイルスには狂犬病ウイルスを含む複数の遺伝子型が報告されており新しい遺伝子型の報告も続いています。これらのウイルスは主にコウモリから見つかっており地域によって分離される型に違いがあります。中央アジアやシベリアなどでも新しい遺伝子型が見つかった報告があり分布や多様性の把握が進められています。コウモリは夜間に活動し建物のすき間や屋根裏を利用することがあるため害獣対応の現場では接触防止の意識が重要になります。弱った個体や落ちている個体を見つけても近付かず関係機関や対応業者へ相談する判断が望まれます。
病原体
リッサウイルスはマイナス鎖一本鎖RNAをゲノムにもつラブドウイルス科リッサウイルス属に属するウイルスでありウイルス粒子は直径75~80nmほどで弾丸様の形状をしています。成熟粒子はゲノムRNAと少なくとも5つのウイルス蛋白から構成され構造的にはヌクレオカプシドとエンベロープに分けて考えられます。強い神経親和性を持つことが大きな特徴で感染と伝播はG蛋白質に対する中和抗体で抑制されます。現場で病原体そのものを見分けることはできませんので咬まれたかもしれない。体液に触れたかもしれない。こうした接触の有無が判断の出発点になります。目立った外傷がなくても皮膚の傷や粘膜への接触が疑われる場合には軽視しないことが大切です。
臨床症状
リッサウイルス感染症の臨床症状は狂犬病と類似しており発熱や食欲不振や倦怠感や四肢の疼痛や掻痒感や咽頭痛や知覚過敏などの初期症状が現れておりこれに続いて興奮性の亢進や嚥下困難や発声困難や筋痙縮や中枢神経症状が進行し最終的には昏睡状態となり呼吸停止と死亡に至ります。標準的な潜伏期間は20日から90日とされ咬傷部位や傷の深さや接触状況によって異なります。症状だけで他の神経疾患と区別することは難しく疑わしい接触歴の確認が重要になります。コウモリに咬まれた可能性がある場合や素手で捕まえた場合や口や目に体液が入った可能性がある場合は症状の有無にかかわらず速やかに医療機関へ相談することが望まれます。
病原診断
リッサウイルス感染症の病原診断は臨床症状だけでは難しいであり発熱や神経症状だけでは確定できないため接触歴や地域情報や検査結果を合わせて判断する必要があります。検査では主に抗原検出と遺伝子検出が行われこれによりウイルスの特定が可能になります。遺伝子型の特定は分離されたウイルスの遺伝子型を決定することで行われます。現場で重要なのは診断を急いで自己判断することではなく接触の経緯を正確に伝えることです。いつどこでどのようなコウモリに触れたか。咬傷があったか。素手だったか。こうした情報が診断と対応の助けになります。
治療・予防
リッサウイルス感染症に対する特異的な治療法や予防法はまだ存在しませんで患者への対応は基本的に狂犬病への対応に準じます。発症予防や感染が疑われた場合の曝露後ワクチン接種には狂犬病ワクチンが用いられますが現在のところリッサウイルス感染症専用のワクチンや免疫グロブリンは存在しません。予防の基本は感染源と考えられる動物へ不用意に接触しないことです。屋根裏や物置や軒下でコウモリらしい動きや糞の堆積が見られる場合は自分で追い払おうとして素手で触れないことが重要です。捕獲や排除や清掃が必要な場合は防護具を備えた対応業者へ相談し接触後は傷の有無にかかわらず医療機関へ連絡する流れを取ると安心です。

感染リスクの高いグループにはウイルス検査に携わる害虫駆除業者や研究者やコウモリの害虫駆除業者やコウモリを扱う研究者などが含まれており建物管理や動物対応に関わる人も接触機会があるため防護具の使用や手順の理解が求められます。リッサウイルス感染症は狂犬病と同様に患者に対する特異的治療法がないため曝露の段階で適切に対応することが非常に重要です。落ちているコウモリを見つけた時や室内へ入り込んだ時には素手で触らず子どもやペットを近付けないようにし出入口を限定して落ち着いて専門先へ相談することが望まれます。



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